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TABUCHI'S ROOM(1)

2011/04/12



TABUCHI'S ROOM




僕は基本的にこのことについては何も言わないつもりでした。

まずもってルールなんてくだらないものを作りたくないし、ライブ中にも言いたくない。みんなが楽しもうとしてやっている結果だし、余計な口出しをしたくないというのが今でも正直なところです。

ありがたいことにたくさんのお客さんが来ていただけるようになると、各々の想いの小さな食い違いが生まれるのは避けられないことです。

それで過度に危険なことになったり、悲しい思いをする人がいてしまったら僕が理想とする「一人一人の"自分"の音楽」は成立しないのもまた事実。

本当に心苦しいのですが、誰も否定しない形で、少しだけ考えてもらうことができればと思って、長々と書かせてもらいます。



僕も中学高校の時はよくライブを見に行ってて、その時にもファン掲示板では度々ライブ中にこんなイヤな事があった等の話がされていたものでした。

なのでおっしゃりたい気持ちはよくわかります。

でも必ずその根底に「自分を楽しみたい」と思ってくれていること、僕は信じています。絶対にそれは忘れないで欲しい。



最初に書きますが、僕がライブで目指しているのは「一人一人がそこに鳴っている音楽を自分のものにできること」です。

つまり自分の楽しみ方は自分が一番知っていて、本能的にそれをやっているわけで、それを否定するのは絶対に間違っている。

そこには自分があって自由があってほしい。

ですがそれだと納得させられないと思います。

僕が思うに、ほんの少しだけ思いやりが加われば、問題は完全に解決しないながらも、少しずついい方向に向かっていくんじゃないかと思われる。

自由と思いやり、二つは矛盾すると思うかもしれないが、僕は絶対に両立できると信じている。



オールスタンディングのライブだと特別そういう問題が起こるのかもしれないけど



ダイブ

モッシュ

大声で歌う



これらは色んなところで「問題」だと取り上げられたりします。

(上の行為が好きな人ごめんね、以下で説明するのでお付き合いください。)

それで近くに居た人が、ケガをしたり、音楽に集中できないという事も起こる可能性はあります。



あらかじめ「意見者」に言っておきたいのですが、別に問題ではないんだよ。悪いことじゃない。

それが楽しい人だっているんです、だからその人を否定するのは間違ってる。

暴れている人が音楽を聴いてないとか言う人がいるけど、それも違う。

耳で聞くのが楽しい人もいれば、音楽で体を動かされるのが楽しい人もいる。

ステージを見なくなって楽しいと思う人はいる。

その人にとっての「音楽」すなわち「自分」はその人にしかわかりません。

それはどうか、否定しないでほしい。

沢山人が集まる場所ですから、思い通りに事が運ばなくてイラッとすることは当然あるでしょう。

そんな中で自分が自分でいられる環境を作り上げて欲しいというのは要求が過ぎるでしょうか。

もちろん、あなただけが被害者になるのは悲しい。次は逆の立場で触れてみます。



今度は「意見された側」に少しだけ僕の意見を言わせてください。

それらの行為で悲しい思いをする人がいるかも知れないという事を、少しだけ理解して欲しいのです。

「ケガをするのは当たり前」とか、「だったらこっちに来るな」みたいな乱暴な事はどうか言わないで欲しいのです。

他のバンドはわかりませんが、僕から見てても、ユニゾンにはたくさんの種類のお客さんが居ます。

その一人一人に「楽しみ方」があってそれが一緒である必要はないと僕は考えています。

僕らがライブで手拍子を煽ったりしないのを徹底しているのもそういう事です。

だから「みんなも自分と一緒だろう」とはなって欲しくないのです。



ライブが始まるちょっと前、ライブで曲が止まった一瞬だけでいいのです、少しだけ周りの人の事を考えてあげて欲しい。

周りがみんな楽しい顔をしているならとても素晴らしいことです。ただ、悲しい顔をしている人がいるかもしれない。

そうして一瞬だけ考えたら、きっとあなたの本能が判断してくれるでしょう。

それをすることで自分がまだ知らない「自分の本当の楽しみ方」を見つけることがあるかもしれません。

もちろん考えても自分の楽しみ方が揺るがないなら、それもとても素晴らしいことです。



自分が正義だと思っている事が誰かの悪だという可能性は低くないです。

これは僕を見ればよくわかると思います。正義だと思ってこうやって文字にしたりユニゾンや個人の活動をしているけど、僕のそういう所が嫌いな人だってたくさんいると思います。



目立ってる人にどうしても注目が言ってしまうので、本当に申し訳ないと思っています。

ライブ中は「あなた一人と僕ら」しか関係はないと思うので上の文面に少し矛盾があるかもしれませんが、これが僕が言えるギリギリのところです。



話は戻りますが、僕はライブで「みんなの自由が成立する形」を理想にしています。

きっと理想論なのかもしれませんが、「自由」に少しだけ「思いやり」の入り込む余地を与えてあげたら、少しでもその理想が現実に近づくかも知れないと思っています。

その二つは絶対に両立できます。



例えば、今僕らのライブの多くはスタンディングだから多少のケガはしょうがないとは思うけれども、何か重傷を負ってしまう可能性だってバカにできない。

それはやっぱり、起きて欲しくない。

自分の身は自分で守らなければ、というのが真実だけど、少しの「思いやり」があることでその可能性は限りなく低く出来る。



余談的に言いますが、これは時間をかけて「ユニゾンだけができるライブ空間」を作り上げることができれば解決していくことだとも思っています。

暗黙の了解、というのでしょうか。その響きも何かつまらないですが。

お客さんも時間と共に、考え方が変わってきたりします。

その中でユニゾンのライブの楽しみ方だって変わったりすることもあります。もちろん変わらなくてもいいのだけど。



閉鎖空間ながらも本当につまらない事を書いてるなあと思います。

ステージに立ってる人間がこんな事を言ってしまうのはがっかりさせるかもしれないし、これのせいで余計なことまで考えてしまって楽しめなくなったりするかも知れない。

そう思うと申し訳ない気持ちでいっぱいですが、

「自分の楽しみ方は自分だけが知ってる。誰にも否定する権利はない。そして誰を否定する権利も、またない。」

これだけは忘れないでください。



もし誰かの考えるきっかけになればと思ったりしています。

こういう話に答えはないと思うので、なかなかうまくまとめられずあっちこっちいってしまうけど、今回はこの辺で。







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